埼玉県自然学習センター 北本自然観察公園

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北本自然観察公園

公園利用のルール

2023年のホタル観察について

北本市天然記念物「エドヒガンザクラ」


最終更新:2024年1月2日

北本自然観察公園とは

 北本自然観察公園は、埼玉県の「里地里山」の自然環境を残しながら、野生の生きものがくらしやすいよう、また来園される方が自然に親しめるように整えられた公園です。1992年(平成4年)7月にオープンし、32.9haの広さがあります。 隣接する荒川の河川敷につくられた「荒川ビオトープ」と共に、野生の生きものの生息場所として重要な役割を持っています。

 タカの仲間やキツネを「目標種」とし、それらが繁殖できる環境が適切に保たれるように公園の管理を進めています。

北本自然観察公園ウォーキングマップ(PDF325KB)  公園内の施設としては、埼玉県自然学習センターのほか、トイレ、駐車場(約100台)、非常用設備(貯水槽・井戸)があります。センターを出発して園内を歩く大回りコース(センター〜あずまや〜一夜堤〜桜堤〜とんぼ池(標柱11番)〜台地の草原(標柱16番)〜センター)は、一周約2kmです。
→ウォーキングマップ(PDF325KB)


公園の自然環境は大きくは3つの環境タイプに分けることができます。

雑木林 雑木林(里山の林)
昔はたい肥にするための落ち葉や薪をとるために使われていました。
草原 草はら
ススキの生える草原は、以前は屋根を葺くためのカヤや牛馬のエサをとるために使われていました。
湿地内の水辺 湿地・池
以前は水田として利用されていました。泥が深く田舟が必要なほど水の多い田んぼもありました。

公園で見られる生きもの

アカガエルの卵塊  早春には、ニホンアカガエルが湿地へ卵を産みにやってきます。

ミドリシジミ  春になるとメダカやドジョウが池の中で活発に泳ぎ、草原ではタンポポやスミレの仲間が花を咲かせます。初夏の夕暮れ時には埼玉県の蝶・ミドリシジミがハンノキの周りで美しく舞います。

アブラゼミの羽化  夏の夜にはヘイケボタルの飛ぶ姿やセミの羽化が見られ、秋にはクツワムシなど鳴く虫の声を楽しむことができます。湿地をワタラセツリフネソウのピンク色の花が彩ります。

マガモ  冬の雑木林では木の皮そっくりなキノカワガに出会い、驚くこともしばしばです。池にはカモたちがやってきて、公園内は冬鳥たちでにぎわいます。

 その他、一年を通して、オオタカ、カヤネズミ、キツネ、タヌキといった多くの野生の生きものがくらしています。


生きものマップ(jpg画像41〜47KB)
|  | 初夏 |  |  | 晩秋 |  |


 自然学習センターでは、初心者でも気軽に自然とふれあうことのできるイベントを多数開催しています。どうぞご参加ください。 →イベントのページ

みんなの手で守り育てる公園です

 公園で見られる多くの生きものは、人が手を加えることで維持されてきた「里地里山」にすむ生きものです。 水田や薪炭林としての利用がされなくなったまま放置しておくと、遷移が進み、「里地里山」の環境に生息する生物はすめなくなってしまいます。

生きものいきいき隊  そこで北本自然観察公園では、日常的な草刈りなどの公園管理作業の他に、湿地の草刈りや耕耘、雑木林の落ち葉かきや下草刈り、池にたまった土砂の除去などの環境管理作業を行っています。このような作業の一部は、ボランティアの方の力をお借りして実施しています。みなさんも参加してみませんか?  →ボランティア大募集のページ


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公園利用のルール

園路以外の場所は、一部を除き立ち入りが制限されています

園路をあるいてね  公園は、野生の生きもののすみかです。来園者が利用できる場所は、園路や一部の草原・梅林などに限られています。 特に、斜面林、湿地などには入らないよう、お願いいたします。公園の地図は、自然学習センターの受付カウンターで入手することができます。

生きものを持ち出さない・持ち込まない

他の場所にいた生きものを公園内に放さないで  毎年、公園内でホタルやカブトムシ、キンランやギンランなど、いろいろな生きものが見られることをみんなが楽しみにしています。公園内の動植物を持ち帰らないでください。 また、飼っていた生きもの、栽培していた植物、他の場所で採集した動植物などを放さないよう、お願いいたします。

犬の散歩はリードをつけて

犬の散歩は鎖をつけて!  公園にはタヌキやイタチなど多くの野生の生きものがすんでいます。それらの生きものを脅かさないためにも、ほかの利用者のためにも、犬を散歩させる際はかならずリードをつけてください。リードは短めに保って、フンは持ち帰ってください。

ゴミはお持ち帰り下さい

ゴミを捨てないで。タヌキが間違えてたべちゃうかも?!  食べ物のにおいのついたビニール袋を食べて、野生の生きものが死んでしまうことがあります。公園の美化と野生生物の安全のためにもゴミはお持ち帰りください。

火気厳禁・敷地内全面禁煙

 公園内では、花火やバーベキューなど火気をつかうことはできません。公園の敷地内は、駐車場を含め全面禁煙です。喫煙所もありません。

ドローン等の利用

 公園内では、ドローン(ラジコン飛行機等を含む)の利用はできません。

学術調査や研究のための公園利用

 事前にセンターにご相談ください。氏名・所属・住所・連絡先・調査目的・調査日程・調査方法等についてご説明いただきます。その後、センターが許可した行為に限り実施可能です。

野鳥観察時のマナー

三脚利用、ご配慮ください  三脚を用いて写真撮影・観察をされる方は、一般の通行の方がいつでも通れるように道の後ろを空けておく、移動の際には三脚をたたむなど、お気遣いをお願いします。また、木や枝を切る、止まり木を置く、声を流したり餌を置いたりして野鳥を呼ぶなどの行為はおやめください。

ホタル観察シーズンの撮影マナー

 観察者の多い場所でストロボやモニター画面を使って撮影する、園路がせまい場所で三脚を使用する、同じ場所を長時間占有するなどの行為は、他の来園者の迷惑になります。周囲の状況に気を配り、他の観察・散策者がいるときには撮影をやめるなどのご配慮をお願いします。下記2023年のホタル観察についてもご確認ください。

利用にあたって事前に申請が必要な場合があります

 物品の販売や興行、業務としての映画・写真の撮影などです。詳しくは、自然学習センターまでお問い合わせください。


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ホタル募金の御礼

 2023年の延長開館時間中にセンター内でご協力をいただいたホタル募金は、24日間の合計で9万3298円となりました。心より御礼申し上げます。このお金は、公園の環境管理の活動にあてさせていただきます。
 ご来園のみなさまには、ホタルを守るためのライトの消灯や公園の自然環境を守るためのルール・マナーにご協力いただき、誠にありがとうございました。今後とも、公園の生物多様性を守り育む活動にご協力いただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

2023年のホタル観察について

ホタル観察イラストイメージ  公園に出かける前に、自然学習センター(2023年は、6月24日〜8月13日の金・土・日曜と祝日に、19:30まで延長開館→開館カレンダー) で公園の地図を入手しましょう。ホタルの発生時期には、公園内の出現状況マップ、ホタルの観察のコツなどをまとめた展示があります。
 ホタルを守りつつ安全な観察をしていただくために、2023年は次のルールで観察をお願いします。

土日祝日に適用するルール

ホタル観察に関するFAQ(よくあるご質問・2023年度版)

ホタルはいつ頃に見られますか?

 6月中旬〜8月中旬頃まで見られますが、年によって変動があります。もっとも数が多くなるのは、7月上旬〜下旬にかけてです。2022年のシーズンは、6月10日の調査で1匹、確認されました。シーズン終盤の9月2日の調査では公園全体で10匹まで少なくなりました。
 6月から、週に1回のペースで調査を行います。結果を館内のマップやホームページ(公園日記)でお知らせします。

ホタルが観察できる時間帯は?

 活発に活動するのは暗くなってから1時間くらいの間です。19:30〜20:30頃の、あまり遅くない時間帯がおすすめです。
 詳しくは、観察に出かけたい日の「日の入り」の時間を調べましょう。「国立天文台 暦計算室」(外部リンク)が参考になります。日の入りから30分後くらいが暗くなる目安です。

公園で観察できるホタルの種類は?

ヘイケボタル  ヘイケボタルです。ほかにも、数種類のホタルの仲間(光らないか、ごく弱くしか光らない)がくらしています。ゲンジボタルはいません。

ホタルは放したものですか?

ホタル生息環境  いいえ、昔から公園内の湿地で自然発生している野生のホタルです。放してはいません。屋内の観察施設や飼育施設もありません。

公園は夜でも入れますか?

 はい、入れます。駐車場も利用可能です。正門は夜間に閉まりますが、その隣(駐車場を背にして左手)の出入口から公園に入ることができます。

駐車場は夜でも利用できますか?

 はい、利用できますが休日は満車となります

 満車の場合、近隣にある北里大学メディカルセンターの有料駐車場も「一般車」として利用できます(1時間まで無料、その後1時間毎に200円)。病院関係者用の駐車場には絶対に止めないで下さい。

ホタルを観察するイベントはありますか?

 はい、あります。2023年は、「ヘイケボタル観察会(7/4火、5水、11火、12水、19水、24月、25火、26水)」「夜の自然観察会(7/29土、30日)」があります。なお、2023年の募集は終了しました。

イベント以外でもホタルは観察できますか?

日没  はい、ご自身で観察に出かけることが可能です。ただし、初来園の方は安全のため明るい時間帯に一度下見をするか、センターの開館時間内に来館し、最新のホタル情報を収集してからお出かけ下さい。→開館カレンダーのページへ。
 なお、公共交通バスは、平日は22時台(公園前の最終22:28発)、土日祝日は21時台(公園前の最終21:22発)まであります。→交通案内(アクセス)のページへ

どんな服装で行ったらいいですか?

ホタル観察:服装  薄手の長袖、長ズボン、靴下、運動靴(サンダル、下駄、ヒールの高い靴などは不適)で、ケガや虫さされ防止のため、肌の露出をなるべく避けましょう。園路はほとんどが土の道です。特に梅雨の時期はぬかるみやデコボコがあります。光る靴、光るグッズの着用はおやめ下さい

ヘビもいるんですか?

ホタル観察:ヘビ  はい、毒をもつマムシもくらしています。そのほか、ハチやヘビを含む野生の生きものがいる公園です。園路以外には立ち入らないように、また静かに歩きましょう。

懐中電灯は必要ですか?

ホタル観察:ライトOFF  はい、ご準備下さい。ホタル生息地では使用できませんが、公園には街灯がないため、緊急時に必要となる場合があります。ただし、大型で明かりが強いのもの、光が広がるランタンタイプ、ハンドルを回転させて音が出るものは、公園での使用に適しませんのでお避け下さい。

観察するときの注意点はありますか?

ホタル観察:ライト下向き  ホタル生息地での懐中電灯の使用は禁止です。ホタルは光でコミュニケーションをとっているので、その妨げになる行動は避けましょう。実際に、公園内でホタルが多く見られるのは外からの人工的な光が届かない場所です。また、ホタル生息地以外で懐中電灯を使うときには下向きに足元を照らし、周りの人に光が当たらないようにしましょう。また、園路が狭い場所ではゆずり合って観察をお願いします。

ホタルを捕まえてもいいですか?

ホタル観察:捕まえない  いいえ、できません。ホタルはとても小さな昆虫なので、捕まえると弱ってしまいます。近くに飛んできても、触らずにそっと避けて場所をゆずってあげて下さい。なお、トラブル防止のため、夜間の虫取り網や虫かごの持ち込みはご遠慮ください。ご協力をお願いします。

写真を撮ってもいいですか?

ホタル観察:液晶の光に注意  スマートフォンでの撮影は基本的にできません。液晶の光がホタルの生息を脅かす原因になります。カメラでの撮影は可能ですが、ホタルの淡い光を撮影するには特別な技術が必要です。必ず、液晶の光が周囲に漏れないように設定して下さい。

ホタル観察:三脚の使い方  土日祝日は公園全域で三脚の使用は禁止です。平日は三脚が使用できますが、その場合も、園路が狭い場所で使用する、同じ場所を長時間占有するなどの行為はトラブルの原因となりますのでおやめください。ホタル以外の生きものの撮影も、周囲の状況を確かめて他の観察者への配慮をお願いします。

 なお、公園内における「業としての写真・動画の撮影」は、埼玉県都市公園条例に基づき、事前の申請と利用料の支払いが必要です。まずは、自然学習センターまでお電話でお問い合わせください(TEL048-593-2891)。


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北本市天然記念物「エドヒガンザクラ」

お知らせ
2019年10月22日の午後、根元から折れて倒伏しました。2020年と2021年の春は、現地に残っていた細い枝から数十輪、花が咲きました。以下の内容は、健在だった時の情報です。

「エドヒガンザクラ」2007年3月28日撮影  公園内にある北本市の天然記念物「エドヒガンザクラ」(標準和名:エドヒガン)は、高さ29m、樹齢約200年。 雄大にしだれた枝に、ソメイヨシノよりも濃いピンク色で小さめの花をつけ、開花が進むと淡く色が変化していきます。
 開花時期はソメイヨシノよりも1週間ほど早いのが特徴です。3月上旬に暖かい日が続いた2007年には、例年よりも10日ほど早い3月10日に1輪目の開花を確認しました。この年は、その後寒の戻りがあったためになかなか開花が進まず、満開は3月24日頃でした(写真:2007年3月28日撮影)。2009年は、3月17日にようやく1輪目の開花が確認された後、暖かさにつられて一気に咲き進み、21日頃には満開となりました。このように、開花期の気温や雨によって花の増え方は大きく変化します。


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