今日の北本自然観察公園〜公園日記〜
【2025年11月20日(木)】
- 虫たちが命をつないでいます。子供公園口で見つけたのはオオカマキリの卵鞘。あんなにたくさんいたジョロウグモの成虫もいつの間にか姿を消して、かわりに白い糸で覆われた卵塊が、ウメの幹やクワの葉で見つかるようになってきました。木道を巡視中にふと振り返ると、家主不在のクモの網に引っかかった葉っぱが2枚、ふわりと宙に浮かんで留まっていました(写真)。黒くシルエットになった葉っぱが「目」、下の木々が「もじゃもじゃのひげ」みたい!? スタッフにはダンディな顔に見えたのですが、みなさんはいかがでしょうか…?
- 昨日のアオハダに続き、今日は標柱15番のヒサカキのレストランが盛況でした。チュリチュリ…♪ という鳴き声と共に現れたのはメジロの群れ。上へ下へと絶え間なく動き回りながら、なんともアクロバティックな体勢で、藍色に熟した実をついばんでいました。

【2025年11月19日(水)】

- 各地で今季一番の冷え込みとなった今朝。公園には初霜が降りました。乾いた空気に時折吹く北風が、種子の旅立ちにはもってこいのコンディション。こぼれ落ちたガマの穂綿や、綿毛が飛んだあとのスカスカのヨシの穂が、湿地のそこかしこで見られました。巡視中のスタッフの肩には、パチン! という音とともに弾け飛んだツルマメの種子がぶつかってきました。
- 狭山市立水富小学校2年生が校外学習のため来園しました。草地ではコバネイナゴやアキアカネを手に乗せてじっくりと観察。林では上から落ちてくる葉っぱキャッチや、クヌギ・クワ・ムクノキなどの様々な種類の葉っぱ集めに挑戦し、身体も頭も活発に動かしました(写真)。最後には「自然の学校たのしい〜!」「虫が苦手だったけどかわいいと思えてよかった」などの声が聞かれました。
- 季節は紅葉&黄葉から落葉へ。今年は進みが少し早いようです。標柱16番のイチョウとエノキが黄金色に輝くなか、すでに実だけになった標柱3〜5番間のアオハダには、ヒヨドリとツグミが集まっていました。

【2025年11月18日(火)】

- 埼玉県主催の「みどりの活動講習会」が開催されました(写真)。環境アドバイザーの方など自然に携わるみなさまが集まり、身近な危険生物について学びを深めました。室内講義の後野外へ出かけ、ハチの巣がどんな場所に作られるかを解説。「スズメバチの巣は一年しか使われないんですね」「クマバチがおとなしいハチとは知らなかった」などの声があがりました。まず相手を知ることで適切な距離を保ち、共存する方法をお伝えしました。
- センター前で見つけたウスタビガの繭。いつ羽化するかな? と、11月に入ってから毎日気になっていました。そっと手に取ると、おや? 明らかに軽い! 上部の隙間からは蛹の殻が確認でき、寄生された痕跡もありませんでした。昨日無事に羽化したのでしょう。欲を言えば成虫の姿を目にしたかったところですが、一安心したスタッフでした。

【2025年11月16日(日)】
- 林沿いのあちらこちらで、色付いた木の実が目にとまるようになってきました。標柱5〜6番間には、葉の陰に赤い実をつけたヤブコウジや、紅葉とあわせて見ごろを迎えたガマズミ(写真)。さらに標柱15番の近くでは、サネカズラのつやつやの集合果が見られました。また、標柱5番付近ではジャノヒゲの実も青くなり始めました。
- 標柱21番近くコナラの幹でルリタテハを見つけました。ただ止まっているだけかと思いましたが、試しに近づいてみても飛ぶ様子はなし。どうやら、越冬の体勢に入っているようでした。
- ★野鳥情報★ センター付近と桜土手にリュウキュウサンショウクイがいました。

【2025年11月15日(土)】

- 今回の生きものいきいき隊では「高尾の森のササ刈り」を実施しました(写真)。林床に生育するシュンランやギンラン、キンランなどの希少植物の生育環境を整えるため、茂ったアズマネザサやシラカシの幼木を刈り取りました。おかげさまで、すっきり明るい環境に。ご協力いただき、ありがとうございました!
- 日差しが暖かく穏やかな陽気でした。昆虫が少なくなってくる時期ですが、標柱13〜14番の森沿いでは「プチプチ…」とセスジツユムシ、センター周辺のシラカシでは「チン、チン♪」とカネタタキの声が聞こえました。また、八ツ橋で耳をすますと、ヨシ原からは「ジジジジ…」とコバネササキリの鳴く微かな音。集中してその出所を探すと、ヒメガマの穂に止まる成虫が見つかりました。
- ★野鳥情報★ センター付近の上空をハイタカが飛んでいました。

【2025年11月14日(金)】

- 「家族で楽しむバードウォッチング〜水鳥編〜」を開催しました(写真)。まずは、お部屋の中で双眼鏡の使い方を練習。正しい姿勢や操作のコツを学んでから出かけました。八ツ橋の池でダイサギ、マガモ、カルガモがヨシの茂みを出たり入ったりするのを見ていると、甲高い鳴き声と共に現れたのは、水辺の“アイドル”カワセミ! 長い時間同じところに止まっていてくれたので、双眼鏡よりもさらに大きく見えるスペシャルアイテム、望遠鏡でもじっくりと観察できました♪
- 11月14日は「埼玉県民の日」です。公園各所で県の木、ケヤキの黄葉が見ごろを迎えています。頭上に広がる枝ぶりがじつに見事で目を奪われますが、ぜひ足元にもご注目を! 小さな実がついた小枝が見つかるはずです。一緒についている葉が翼の役割を果たし、枝ごと風に乗って種子を広げるワザありの造形。また、生長と共に変化する樹皮も本種の見所のひとつです。今日の「定例自然かんさつ会」では、参加者の方と一緒にすべすべの若いケヤキと、凸凹とした年老いたケヤキの樹皮のさわりくらべをしました。
- ★野鳥情報★ センター付近の上空をハイタカが飛んでいました。

【2025年11月13日(木)】
- 公民館口付近の水辺の水面に落ちた1匹のエサキモンキツノカメムシ。それを食べようと集まったマメゲンゴロウとクロマメゲンゴロウ数匹、そしてヤスマツアメンボが奪い合いを繰り広げていました(写真)。スピードを生かしてカメムシを安全なところに運びたいアメンボを、ゲンゴロウが縦横無尽に水中を泳ぎ回って追いかけるという構図。みんな貴重な栄養源を逃すまいと必死です。それにしても…食べるときに匂いは気にならないのでしょうか??
- “匂い”つながりでもうひとつ! 標柱6〜7番間の園路脇にスッポンタケが生えていました。「きのこの女王」の異名を持つキヌガサタケと同じく、匂いで昆虫を誘って胞子を散布するグループのきのこです。写真を撮ろうとかがんだところ、独特の臭気が感じられました。

【2025年11月12日(水)】

- 伊奈町立小針北小学校1年生のみなさんが校外学習のため来園(写真)。秋から冬へ、生きものたちの様子がどのように変わっていくのかを観察しました。成虫が少なくなるにつれて増えてゆくジョロウグモの卵塊に、仲良く泳ぐマガモのオスとメス。真っ赤に熟したカラスウリの実の前では「カキかな?」「マンゴーじゃない!?」と、色々な果物の名前が飛び出しましたが、名前がわかったあとは「知ってる! 前に習った歌に出てきたよ」と、納得の表情。学校での学習とうまくつながったようです。
- 二十四節気をさらに細かく分けた七十二候(しちじゅうにこう)では、今日から5日間を「地始凍(ちはじめてこおる)」とあらわしますが…。青空が広がり日向の地面はぽかぽか♪ ウラギンシジミやキタテハなどの成虫越冬のチョウたちが翅を広げていました。そして、標柱16番のクズの葉ではコミスジの幼虫を発見。こちらは幼虫のまま越冬するチョウで、春に成虫になります。

【2025年11月11日(火)】
- 写真は、6年前に倒伏したエドヒガンザクラの現在です。季節ごとに様々な生きものたちのすみかになっています。幹の上には落ち葉が積もり、その間から伸びていたのはハナタデやコセンダングサ。這うように広がるコナスビの丸い葉は赤紫に色づき、傍らには小さな花と蕾も見られました。
- 標柱16番のススキの穂を撮影しようと近づくと、淡い赤褐色のアブラムシがついていました。大きさは3mmほど。見慣れない種類だなあ、と調べてみると、どうやらアブラススキヒゲナガアブラムシのようでした。図鑑によると姿を現すのは10月頃から。周りの他のススキの穂にもついていました。
- ★野鳥情報★ かわせみ池近くにアオゲラがいました。

【2025年11月9日(日)】
- 朝から小雨でしたが「あらかわ探検隊〜秋編〜」を決行しました。河川敷の田んぼの畔には、寒さでじっとしているトノサマバッタやアキアカネがあちらこちらに。止み間にはトビやヒバリも見られました。また、稲刈りの終わった田んぼや水路では、埼玉県では準絶滅危惧のキクモの他、オモダカなどの水辺の植物も観察できました。
- ここ数日の冷え込みでまた一段と進んだ黄葉(写真)。淡い黄色から濃い橙色まで樹種によって様々です。標柱3番のコアジサイや標柱15番のケヤキは、まだ緑色の葉を残していました。
- めだかのT字路付近のタチヤナギの枝先で「ヒッ、ヒッ」と鳴いていたジョウビタキのメス。写真を撮っていたら、モズがやってきて代わりに枝に止まってくれました。

【2025年11月8日(土)】

- 野あそび教室「知ってびっくり! 実とタネのちえ」を開催(写真)。林のまわりを歩いて、風に乗ってくるくると回るイヌシデのタネや、紫色のジュースをたっぷりと蓄えて鳥をよぶヒサカキの実など、自然や野生の生きものの力を借りて旅をする植物たちを観察しました。時には人がタネを運ぶこともあるんだよ〜ということで“くっつきむし”集めにも挑戦。布をえいっと茂みに投げてから引っ張ると…イノコヅチやヌスビトハギの実が数えきれないほどくっついてきました!
- 朝、標柱3〜4番間の水路が小鳥たちの水浴びスポットになっていました♪ メジロ、シジュウカラ、ヤマガラが、水路を横切る枝に集まっては次々に着水し、羽を震わせていました。翼を広げて全身しっかり浸かったり、カラスの行水よろしくパッと一瞬で済ませていなくなったり、何度も出入りを繰り返したり、その様子はいろいろ。鳥たちの個性が感じられました。

【2025年11月7日(金)】
- 二十四節気の「立冬」。暦の上ではもう冬です。めだかのT字路からヨシ原を眺めると、景色の中に黄色や橙、枯草色が増えてきました(写真)。
- 強い風が吹き、雑木林の木々がざわざわと音を立てていました。それでも昼頃には気温20℃を超え、陽だまりはぽかぽかと暖か。標柱4〜5番のイヌザクラの幹には日光浴をするアカタテハ。標柱7番〜南口間では、野菊で吸蜜するイチモンジセセリやベニシジミが見られました。また、各所の園路脇で何度も出会ったのはニホンカナヘビ。もうそろそろ冬眠に入ります。
- ★野鳥情報★ 高尾の池と八ツ橋の池でカワセミが見られました。八ツ橋からは何度もハンティングする様子を近くで観察できました。

【2025年11月6日(木)】
- 今年も各所でキヅタやヤツデの蕾(写真)が膨らみ始めました。 花が少なくなる冬に向けて、虫たちの憩いの場になることでしょう。
- 八ツ橋の手すりの上をムモンチャイロテントウが歩いていました。春〜初夏に出会う個体よりも、一層鮮やかなオレンジ色。おそらく、この時季に新成虫が羽化して越冬するのだろうとスタッフは思っています。
- ★野鳥情報★ 桜土手の近くにヒガラが4羽いました。

【2025年11月5日(水)】
- 冷え込みが強くなり、黄葉が少しずつ目立つようになってきました。ヤマノイモやムクノキ。アオハダは赤い実とのコントラストがとにかく鮮やか(写真)。観察は、標柱5番付近がおすすめです。
- 2023年から園内でも見かけるようになったシンジュキノカワガ。今年は食草であるニワウルシの幹だけでなく、あちらこちらで繭が作られています。今日はセンター横の車庫の壁で発見! なんと、硬そうな壁材をかじり取ってくっつけ、姿を隠していました。センター入口の柱や標柱1番の地図看板では、また違った材質の繭が見られます。

【2025年11月3日(月)】
- 今日のハイライトは朝一番にやってきました! めだかのT字路に下りてきた1羽の小鳥。羽が赤みを帯びていたので、初めはベニマシコかな? と思ったのですが…。ちょっと体やくちばしが大きいような気がして、確認のために写真を撮ると、なんと正体はオオマシコ(写真)でした!! 園路から数メートル先の茂みの中でカナムグラの種子をもぐもぐ。今回が公園内初確認です。これで、公園の野鳥記録は182種になりました。
- 標柱3〜4番間の雑木林の斜面に、今年もドングリキンカクキンがたくさん生えています♪ こういう小さな生きものほど、頑張って探している時には見つからないのに、ふとした拍子にひとつ発見すると、そこにも、あそこにも! と、次々に見つかるから不思議です。本日の「定例自然かんさつ会」も、きのこ多めでお届け。朽木から生えるオオゴムタケや、園路脇で胞子を飛ばすホコリタケを観察しました。

【2025年11月2日(日)】
- からりとした空気の中、過ごしやすい一日となりました。めだかのT字路を歩いていると、周囲から「パチッ、パチッ」とツルマメがはじける音。ヨシに巻き付いたつるを見ると、鞘のほとんどがねじれていました。
- 夕方、東や西の空が赤やピンクに染まって綺麗でした(写真)。八ツ橋から景色を眺めていると、高尾の池の方からカイツブリやモズの声が聞こえてきました。

過去の観察記録
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