今日の北本自然観察公園〜公園日記〜
【2025年10月19日(日)】
- どんよりと薄暗く、雨が降ったり止んだりの天気でした。そんな中でも、標柱10〜11番に咲いているトネアザミは昆虫たちの姿でにぎやか。ホバリングをしながら吸蜜する、おなじみホシホウジャクや、これに比べて体が黄色いヒメクロホウジャク(写真)。後脚に花粉をいっぱいつけたトラマルハナバチや、ひときわ体が大きいオオハラナガツチバチもやってきていました。
- 夏の盛りから林沿いで見られたシラヤマギクの花もだいぶ少なくなってきました。代わって見ごろを迎えているのはカントウヨメナ。標柱6〜7番間の園路脇で小さな花畑を作っていました。
【2025年10月18日(土)】
- 生きものいきいき隊で「ビオトープ見本園の環境管理」を行いました。池の底に堆積した土砂や落ち葉を上げて水生昆虫がくらしやすい水辺環境を整え、同時に周囲のカラムシやアズマネザサを刈り取り(写真)。作業の合間には、トンボのヤゴやヒメミズカマキリ、ケラなどの見つけた生きものを観察しました。さらにハンノキの枝では、コスジシロエダシャクの幼虫を発見。食草がハンノキ類のため、埼玉県の低地では湿地や河川敷にくらすガで、公園内初確認です。今回もたくさんのご参加ありがとうございました!
- そろそろ双眼鏡が手放せない季節です。めだかのT字路に行って帰って来るだけで、様々な鳥の気配が感じられました。湿地の奥からは「ピョーピョーピョー」と特徴のあるアリスイの声。頭上を、渡り途中のヒヨドリの群れや、シメやビンズイが次々に鳴きながら飛んでゆきました。木のてっぺんには、もちろんモズ。また、来園者の方から標柱15番でイカルの情報をいただきました。
【2025年10月17日(金)】
- 数日ぶりに清々しい青空が広がりました(写真)。めだかのT字路の草やぶの上では、コバネイナゴやツチイナゴ、キタテハなどの昆虫たちが日光浴。そして、そんな隙を狙うオオカマキリがあちらこちらで見られました。
- 川島町立伊草小学校から1・2年生のみなさんが来園。秋晴れのなか、連結して飛ぶアキアカネを探したり、レモンエゴマの爽やかな香りをかいだりしながら公園を探検しました。一番歓声が上がったタイミングは、やっぱりクモさわりのとき。産卵を間近にひかえた大きなジョロウグモのメスを網からすくい、両手に乗せて観察しました。好奇心旺盛な子どもたちに触発されて、先生もおっかなびっくりチャレンジ。「うわ〜人生で初めて触った〜!」と、一緒に盛り上がりました。
- ★野鳥情報★ 来園者の方から、めだかのT字路にアリスイがいたとの情報をいただきました。
【2025年10月16日(木)】
- めだかのT字路を曲がってすぐ、こちらに黒っぽい影が近づいて来るのに気が付き、さっとかがんで身を潜めていると…。草の実をつつきながら、一羽のバンがゆっくりと歩いてきました(写真)。高尾の池ではよくコガモと一緒にいますが、じつはカモの仲間ではなくクイナの仲間。こうして陸上で体形や姿勢を見るとよく分かります。2分ほどの短い時間でしたが、普段、泳いでいると見ることができない立派なあしが確認できました。
- 秋の深まりとともに草木の実が一層色濃く、雨で一層鮮やかになっていました! 林沿いではヤブミョウガの藍色が見ごたえばっちり。まだ熟していない白い実が所々に残ってアクセントになっています。高尾の池の周りのカラスウリ、標柱20番のクサギも引き続き見ごろです。
【2025年10月15日(水)】
- 南口付近で、日向ぼっこ中のニホンカナヘビを見つけました。野菊の花に囲まれ、さらに乗っているのがハート形のガガイモの葉っぱとあっては、「こ〜れは、かわいさ倍増なのでは!?」とスタッフが写真を撮りたくなるのも無理からぬ話でしょう。そっと近づいてから改めて周りをよくよく見ると、近くに2匹のツチイナゴ、さらにはオンブバッタが止まっているのに気が付きました(写真)。さながら、草むらの生きものたちの休憩スポットです。
- 先日見つけたアオスジアゲハの幼虫。今日見に行くと1.3pにまで成長していた上に、どこからか移動してきたのか数が増えていました。葉に触れると頭部から臭角(しゅうかく)を出して威嚇。アゲハの黄色い臭角とは違ってべっこう色なんだ、と思って顔を近づけると、鼻の奥にツンとくる臭いがしました。
【2025年10月13日(月)】
- センター前のプランタービオトープでは、チョウジタデが葉も茎も赤く染まり始め、来館する方の目をひいています(写真)。また、標柱19番から降りた木道沿いでは、タコノアシの実がゆでだこのような色に。こちらも見頃となっていました。
- 今年はまだかなぁと、このところ外に出るたび気にしていたアサギマダラ。秋は渡りの南下のシーズンです。巡視中、公民館口の近くでふわりと舞うメスの成虫を発見しました。その後は場所を移動して吸蜜。しばらくの間、公園に滞在してくれるでしょうか。
【2025年10月12日(日)】
- 気持ちの良い青空が広がった今日は、野外の催しが盛況でした。「定例自然かんさつ会」や「どんぐりスタンプラリー」に加え、センター入口のひさしの下に設置している、スタッフ手作りの遊具「どんぐりコロコロ」コーナーも大人気! 子どもたちが入れかわり立ちかわり訪れて、両手いっぱいのクヌギのどんぐりを転がして遊んでいました。閉館後、昼間のにぎわいが嘘のように辺りが静まり返るころ、空が美しい夕暮れ色に染まりました(写真)。
- おなじみのヤマトシジミが、季節に合わせて“衣替え”! 標柱7番〜南口にかけて、春や秋の涼しい季節に現れる翅の青色の部分が広い成虫が10匹ほどひらひらと飛んでいました。
- ワタラセツリフネソウからバトンタッチするように、一夜堤のキツリフネが見頃を迎えています。園路の両側に100輪以上咲いていました。
【2025年10月11日(土)】
- 小糠雨降る静かな連休初日。ジョロウグモやナガコガネグモの巣は水滴をまとい、ガラスビーズをくっつけたようでした。ふれあい橋から見上げた木の枝先にはキジバトとヒヨドリが止まっていて、時おり羽をふるわせては、雨のしずくを払い落としていました(写真)。
- 突然、真横でカツーン! カランコロン♪ と音を立てて巡視中のスタッフを驚かせたのは、簡易木道や屋根に落ちるどんぐりです。公園全体が静けさに包まれる中だったので、なおさらびっくり。一夜堤ではクヌギ、センター周辺ではシラカシが観察できました。今日からスタートした自然に親しむイベントデー「どんぐりの日」に合わせて、館内の展示は現在どんぐりづくし。ぜひ、チェックしてからお出かけください。
【2025年10月10日(金)】
- 株式会社清水建設のみなさんが研修のために来園。建設業が自然資源の上に成り立ち、同時に開発により負荷を与えているという理解や意識を育むことを目的に活動しました。そのうちの里山整備をスタッフが案内。地蔵口付近に繁茂したオオブタクサやセイバンモロコシなどの外来植物の刈り取りをしていただきました(写真)。作業中にはツチイナゴやクロナガアリなどが見つかり、しばし手を止めて観察。各々が自然と向き合い、外来種問題や、人の手を入れ管理することで保たれる里山の生物多様性について学びを深めました。
- 高尾の池を見渡していると、上空から池に向かって黒い影が急降下してきました。その正体はハヤブサの幼鳥。荒川の河川敷では時々見られますが、園内の記録はあまり多くありません。地上10mほどまで降りたと思ったら、再び高度を上げて地蔵口の方向へ飛んでいきました。
- ★野鳥情報★ 標柱5〜6番間の林にアカゲラ、アオゲラ、コゲラがいました。
【2025年10月9日(木)】
- 熊谷地方気象台で最高気温は23.7℃。外では羽織が一枚欲しくなるような、涼しい日和でした。そんな今日は桶川市と東松山市からそれぞれ小学生の来園があり、草はらでエンマコオロギやクサキリを捕まえたり、水辺でガマの穂を引き寄せて触ったりして、秋の自然に親しみました。
- 正門からセンターに向かって歩いてすぐの場所にあるシロダモの木。ほんの数枚だけ黄緑色の葉が出ていましたが、すでに食べ痕だらけ! 葉の上には、1cmにも満たない、アオスジアゲハの幼虫がいました。チョウの幼虫の多くが柔らかい葉を好みますが本種も同じように若い葉で見つかります。
- ★野鳥情報★ 高尾の池のヨシ原からクイナの声が聞こえました。今シーズン初確認です。
【2025年10月8日(水)】
- 先日来、外へ出かける度に探していたリスアカネ。以前から園内では数の少ないトンボでしたが、ここ何年か見ていないと思ったのです。そして、標柱15番に差し掛かった時、一見ノシメトンボやコノシメトンボのような1匹のトンボを発見しました。腹部は赤いけれど胸部は淡褐色。もしや… と、そっと近づき確かめると、やはりリスアカネのオス!(写真) 久しぶりの嬉しい出会いとなりました。
- めだかのT字路で辺りを見渡すと、穂を伸ばしたヨシが風に揺れていました。そんな湿地の園路脇で見ごろを迎えていたのはメナモミ。数mmの花が集まっているため、ぱぁっと咲いているようには見えない少し変わった花です。標柱4番〜めだかのT字路間で十数株ありました。
【2025年10月7日(火)】
- 標柱2番のスダジイの幹にキノカワガが止まっているのに気付きました。巧みな擬態を見破る事ができて嬉しくなりましたが、写真を撮ろうと近くで見ると、なんとヨコヅナサシガメが口の針を突き刺して捕食している最中でした(写真)。先を越された! と思いつつも、獲物を見つけて忍び寄り、気づかれぬ間に捕らえる。英語でアサシンバグ(暗殺者の虫)と呼ばれている理由がよくわかりました。
- 標柱5番を巡視中「チュリチュリ…」「トッ、トッ」「ニィニィ」と、にぎやかな音に囲まれました。メジロやコゲラ、ヤマガラの混群です。エゴノキやアオハダの木の枝から枝へ。首を伸ばして実や虫をついばむ様子が観察できました。
- ★野鳥情報★ 高尾の池でカワセミがハンティングをしていました。
【2025年10月5日(日)】
- 一夜堤を巡視中、驚きの光景を目にしました。なんと、ジョロウグモの網に成虫のムネアカハラビロカマキリがかかっていたのです!(写真)上から落っこちてきたのか、飛んでいる途中で絡まったのか、その経緯は謎。これまでにもムネアカハラビロカマキリが何かを狙ったり、逆に狙われたりする場面を何度か目にしてきましたが、今回の肉食のむし対決は在来種に軍配が上がったようです。
- 雨できのこの仲間が増えています。明かりを灯したろうそくのような形のツマミタケや、濡れて鮮やかさが増したヒイロタケ。標柱17番の朽木からはイヌセンボンタケの幼菌が生えていました。
- ここのところ湿地の花にスポットが当たっていますが、雑木林ではヤマジノホトトギスがきれいに咲いています。見下ろすと星座のよう☆ 明日は「中秋の名月」です。夜空の月や星を眺めるのもいいですね。
【2025年10月4日(土)】
- 三菱電機関越支社のみなさんが里山保全活動のため来園しました。細い踏み分け道を歩いて高尾の森の奥へ。コナラの幼木を残して周りのクサギやササを刈り取り、明るい林になるように整備しました。作業の合間にはヒガシニホンアマガエルやカブトムシの幼虫の観察も。部屋に戻って、ビフォー・アフターの写真を見てもらうと、一目瞭然の成果に「おおっ!」と喜びの声が上がりました。ご協力いただきありがとうございました。
- 一週間ほど前から、標柱20番付近で目立っていた背の高いアザミ。スタッフは密かに“あのアザミ”じゃないかなあ、思い続けてきました。ようやく花が咲いたところを見に行くと、結果は予想どおり。あのアザミ=タカアザミ(写真をクリック)であると確認できました! 首を垂れるように下向きに花を咲かせる独特のスタイル。以前は同じ草地に点々と咲いていましたが、いつの間にか姿を消して幾年月。久々の開花です。
- ★野鳥情報★ センター上空をシメが3羽飛んでいました。今シーズン初確認です。
【2025年10月3日(金)】
- 新聞に掲載された公園のワタラセツリフネソウの話題に多くの反響があり、平日にも関わらずたくさんの方の来園がありました(写真)。秋のお花見を目的に木道を歩く方が多い中、巡視中にすれ違った何人かは、双眼鏡を首から下げて野鳥観察を楽しんでいらっしゃいました。「動きが早いからすぐに見失っちゃうのよね〜」と、悔しさをにじませながらも、木々を飛び回るエナガやコゲラの声に、姿に、耳を澄ませ、目を凝らしていました。
- 標柱17〜16番にかけての坂道に、少し前からぎんなんが落ちています。そこで、高尾の森の中の「タヌキのためふん場」を見に行くと…やっぱり! 新しいふんの中にクリーム色の種子が混じっていました。独特の香りを放つぎんなんは、校外学習に来た子どもたちからは「うわあ、くさい!」と不人気。でも、公園の動物にとっては季節のごちそうです。
- ★野鳥情報★ 公民館口近くにキセキレイが2羽いました。
【2025年10月2日(木)】
- 湿地では晩夏から秋に咲くワタラセツリフネソウが最盛期! その傍らでは、特徴的な秋のイネ科植物も穂を広げています。木道沿いで目立つのは、花火のように穂をしだらせたヌカキビや、稲穂のようなエゾノサヤヌカグサ。その繊細な姿には息を飲みます。
- 木道沿いで目線を低くすると、ヤチスズという褐色で小さなコオロギの仲間が見られました(写真)。「ヤチ」の名の通り、湿地に生息しています。同じような大きさで、センター前の芝地に見られるのはマダラスズやシバスズ。ゆっくり時間をかけて歩いてみると、こんな小さな生きものたちに出会えます。
- ★野鳥情報★ センターの前で「ケレケレケレ…」とアオゲラの声が聞こえました。
【2025年10月1日(水)】
- 強い雨が降ったり止んだりの一日。高尾の池では日ごとに数が増えてきたコガモたちが、あぶくの間をのんびりとした様子で漂っていました(写真)。しばらく眺めていると、ヨシやガマの間から出てきたのはダイサギ。抜き足、差し足で、水中に狙いを定めていました。
- 標柱18番の近くを歩いていると、道端からクロコノマチョウがひらひらと飛び立ち、すぐ近くに静止。翅の突起はとがり、裏面が枯葉のような模様の「秋型」と思われる新成虫でした。また、標柱13番の林沿いにいたのは、体が黄色いヤマトシリアゲ。こちらは「夏秋型」と呼ばれる、初秋の頃に羽化する成虫の姿です。
過去の観察記録
2025年 12月|11月|10月|9月|8月|7月|6月|5月|4月|3月|2月|1月
2024年 12月|11月|10月|9月|8月|7月|6月|5月|4月|3月|2月|1月
2023年 12月|11月|10月|9月|8月|7月|6月|5月|4月|3月|2月|1月
2022年 12月|11月|10月|9月|8月|7月|6月|5月|4月|3月|2月|1月
2021年 12月|11月|10月|9月|8月|7月|6月|5月|4月|3月|2月|1月
2020年 12月|11月|10月|9月|8月|7月|6月|5月|4月|3月|2月|1月
2019年 12月|11月|10月|9月|8月|7月|6月|5月|4月|3月|2月|1月
2018年 12月|11月|10月|9月|8月|7月|6月|5月|4月|3月|2月|1月
2017年 12月|11月|10月|9月|8月|7月|6月|5月|4月|3月|2月|1月
2016年 12月|11月|10月|9月|8月|7月|6月|5月|4月|3月|2月|1月
2015年 12月|11月|10月|9月|8月|7月|6月|5月|4月|3月|2月|1月
2014年 12月|11月|10月|9月|8月|7月|6月|5月|4月|3月|2月|1月
2013年 12月|11月|10月|9月|8月|7月|6月|5月|4月|3月|2月|1月
2012年 12月|11月|10月|9月|8月|7月|6月|5月|4月|3月|2月|1月
2011年 12月|11月|10月|9月|8月|7月|6月|5月|4月|3月|2月|1月
2010年 12月|11月|10月|9月|8月|7月|6月|5月|4月|3月|2月|1月
2009年 12月|11月|10月|9月|8月|7月|6月|5月|4月|3月|2月|1月
2008年 12月|11月|10月|9月|8月|7月|6月|5月|4月|3月|2月|1月
2007年 12月|11月|10月|9月|8月|7月|6月|5月|4月|3月|2月|1月
2006年 12月|11月|10月|9月|8月|7月|6月|5月|4月|3月|2月|1月
2005年 12月|11月|10月|9月|8月|7月|6月|5月|4月|3月|2月|1月
2004年 12月|11月|10月|9月|8月|7月|6月|5月|4月|3月|2月|1月
2003年 12月|11月|10月|9月|8月|7月|6月|5月|4月|3月|2月|1月
2002年 12月|11月|10月|9月|8月|7月|6月|5月|4月|3月|2月|1月
2001年 12月|11月|10月|9月|8月|7月|6月|5月|4月|3月|2月|1月
2000年 12月|11月|10月|9月|8月|7月|6月|5月|4月|3月|2月|1月
1999年 12月|11月|10月|9月|8月|7月|6月|5月|4月|3月|2月|1月