トップページ今日の北本自然観察公園〜公園日記〜>自然観察記録2005年10月

北本自然観察公園 自然観察記録 2005年10月

2005年12月4日更新
                                           埼玉県自然学習センター


【2005年10月30日(日)】
○秋と言えばキノコの季節。キノコは自分の子孫を残すために風を利用して遠くまで胞子を飛ばすものが多いのですが、中には変わり者もいます。イチョウ林で見つけたスッポンタケはイヤな匂いを出してハエをおびき寄せ、そのハエに胞子がくっつけて遠くまで運んでもらいます。

【2005年10月29日(土)】
○これから冬にかけて、「あの白い花が咲いている木は何ですか」という質問がよくあります。公園入口のふれあい橋の右手奥で白い花が咲いたように見えるのは、ニワウルシの種子です。種子のまわりには、ねじれた幅広い翼があって、北風に乗ってくるくる回りながら遠くまで飛んでいきます。ニワウルシの花は5月下旬からから6月上旬に咲きますがあまり目立ちません。ウルシの名前がついていますが、樹形や葉が似ているためで、かぶれる心配はありません。別名シンジュといいます。

【2005年10月28日(金)】
○今朝の公園は霧に包まれていました。2階から高尾の池のカモをカウントしようと思ったら、見えない。こんな日によく見えるのは、クモの糸です。水滴がびっしりとついてクモの巣の形がはっきりとわかります。クモ・・雲・・そういえば霧と雲はどこが違うのかなと思い調べてみたところ、どうやら定義が違うだけで、地面から離れているのが雲、地面に付いているのが霧ということでした。

【2005年10月27日(木)】
○今日の高尾の池には、珍しいお客さんがやってきました。キンクロハジロとオオバンです。どちらもそれほど珍しい鳥ではありませんが、この公園に限れば何年かに1回しか見かけない冬鳥です。キンクロハジロは潜って餌をとるタイプのカモなので、高尾の池は浅すぎるのかもしれません。

【2005年10月26日(水)】
○今日、県立いずみ高校の2年生が37人来ました。里山管理の作業体験もしたいということだったので、セイタカアワダチソウ抜きとイチョウの林の間伐をやってもらいました。オギとセイタカアワダチソウの混ざった草原のセイタカアワダチソウを抜いてもらい、カヤネズミの住めるオギの草原を維持したり、かつて街路樹用イチョウの畑で混み合ったイチョウ林になってしまったところを間伐して多様な森に変える作業です。ぜひぜひまた作業に来てください。

【2005年10月25日(火)】
○一昨日、ジョウビタキがやってきました。北の方で繁殖して日本で冬を過ごす冬鳥です。じっとしていると人のすぐそばまでやってくることがあって、双眼鏡なしでもじっくりみることができます。冬鳥がやってくるかと思うと、まだアブラゼミの声がして、公園は「冬」と「夏」が同居しています。

【2005年10月23日(日)】
○やっと晴れました。今朝、2階からは、コガモ、マガモ、オナガガモ、ヒドリガモ、シマアジ、ハシビロガモが観察できました。そしてカモだけでなく西の空には下弦の月がきれいに見えました。今日の月齢は20。普段は鳥を見ている望遠鏡で月を見ると、クレーターもよく見えます。これからの季節、2階からは鳥だけでなく月にも注目です。

【2005年10月22日(土)】
○今日の「手作り実験教室」と「自然学習専門講座B」は「染め物」をしました。セイタカアワダチソウやカナムグラといった外来種や増えすぎて困っている植物を使います。ミョウバンを媒染として利用したので、セイタカアワダチソウは淡い黄緑色、カナムグラは黄色に染まりました。カナムグラははじめて使ったのですが、予想以上に濃い色が出ました。

【2005年10月21日(金)】
○高尾の池がどんどん賑やかになってきています。今朝はコガモが210羽、マガモ23羽、オナガガモとヒドリガモも2羽ずついました。そして、高尾の池では珍しいコサギがやってきて、ミシシッピーアカミミガメがよく甲羅干しをしている丸太の上を歩いていました。この丸太、水に浮いているので、くるくると回るのですが、気にせずうまく歩いています。コサギは電線の上にも止まったりしているので、バランス感覚がいいのでしょうか。

【2005年10月20日(木)】
○朝晩、だいぶ冷え込むようになってきました。アオマツムシが死んでいましたが、そろそろ見納めの生き物も増えてきました。男性用トイレの窓の外にいたジョロウグモもいつの間にかいなくなり、ホコリをくっつけた網だけが残っています。主がいれば、毎晩半分くらいずつは張り替えるはずなのですが、毎日少しずつほころびが目立って来ています。

【2005年10月19日(水)】
○ヤマトシジミが交尾をしていました。幼虫の食草はカタバミです。年に5.6回発生を繰り返すようで、終令幼虫で越冬するようです。これから産み付けられる卵は、おそらく幼虫の状態で冬を越すのではないかと思います。シジミの名前は、貝のシジミに似ていることからついた名前です。まったく同じヤマトシジミという名前の貝もあります。

【2005年10月18日(火)】
○桜堤のソメイヨシノにヨコヅナサシガメの幼虫がたくさんいます。南方系のカメムシの仲間で、東日本に分布を広げてきた種です。昆虫やクモを食べるのですが、今ここでは、アメリカシロヒトリの幼虫を食べているようです。この公園では、アメリカシロヒトリは発生してもあまり広がらないのですが、このように食べられてしまうことが多いためだと思います。

【2005年10月16日(日)】
○今日の定例自然かんさつ会では、昨日のトンボ池の生き物を調べました。メダカだけでなくコマツモムシ、ガムシの仲間、イトトンボのヤゴ、ウシガエルのオタマジャクシ、アメンボが見つかりました。数年前の死んだような池の姿からはちょっと想像できないほどたくさんの生き物がいました。

【2005年10月15日(土)】
○今日の「里山ボランティア」は午前中が高尾の池の南側水路の補修。午後がトンボ池の改修でした。トンボ池は、外から流れ込んでくる汚水をここで少しでも浄化しようと一昨年から少しずつ改修しています。その改修の効果か、それとも改修のためにみんなが池の中に入って、かき回して酸素が入ったためかわかりませんが、ここにきて明らかに水がきれいになっています。メダカもいちばん上流側の池まで上っていました。

【2005年10月14日(金)】
○今日はこの一年間でいちばん団体利用者の多い日です。それなのに、昨日の段階の天気予報は無情にも1日雨。どうしよう、どうしようとみんなで考えていたら、秋の天気は気まぐれなもので、大方の心配をよそに見事に晴れて、朝は青空にイワシ雲が広がりました。規則正しく並んだ雲の列がとても美しかったので、しばしの間足を止めて空を観賞してしまいました。日中は雲ひとつない快晴となり、遠足の子どもたちも青空に下にお弁当を広げて、さらにおいしくいただけたようです。

【2005年10月13日(木)】
○しばらく雨が続いていましたが、この二日間は晴れ間が広がり、閉館間際の二階展望ロビーから金星が観察できました。日没直後で、空にはまだ青いような明るさが残っていましたが、最初はポツンと白い点のように見えて、暗くなるにつれて輝きだしました。マイナス4.3等星の明るさで、これからしばらくは宵の明星として目を楽しませてくれます。晴れた日の夕方は、空を見上げて一番星を探してみてください。

【2005年10月12日(水)】
○朝、高尾の池が賑やかになっていました。コガモが73羽、マガモも3羽います。コガモはまだ雄雌同じような羽の色ですが、マガモ3羽のうち2羽は首の色がだいぶ緑色になっていて、雄だということがはっきりわかります。ところで、今日もそうですし、コガモをはじめて確認した9月5日も休館日の翌日。どうも今年のコガモは、「今日から」なのか「昨日から」なのかはっきりしないタイミングでやってきます。

【2005年10月10日(月)】
○10月2日から断続的にヨタカが観察されました。繁殖期には、夜「キョキョキョキョキョ・・・」と変な声で鳴くので、何の声かと話題になることがあります。キジバトよりも一回り小さく、地味な茶色っぽい色彩で、枝と同じ方向にとまって腰を下ろしてしまうため、とても見つけにくい鳥です。冬は東南アジアで越冬するため、渡りの途中で立ち寄っただけだと思います。8日の夕方飛び立ったのを見たのが最後で、その後は見つかっていません。

【2005年10月9日(日)】
○毎月第2日曜日に行っている「いきもの講座」の今日のテーマは「モグラ」で、定例自然かんさつ会もモグラのトンネルをさがしました。20m四方くらいの広場で、土が盛り上がっているモグラトンネルの上に黄色いひもを置いていき、長さを測ろうとしたのですが・・・。用意した60m分の「ひも」では足りなくなってしまいました。多分100mくらいはあったようです。そして表面に近いところだけでなく、もっと深いところにもトンネルがあるはずです。モグラは単独生活で、5アールくらいの広さに100mくらいのトンネルを持つそうなので、この広場には複数のモグラのなわばりがあるのかもしれません。

【2005年10月8日(土)】
○ウラナミシジミが飛んでいました。南方系の蝶で、霜の降りるような地方では越冬できません。移動能力の高い蝶で、夏から秋にかけて発生を繰り返しながらどんどん北の方まで進んでいきます。しかし、せっかく北の方まで広がっても、寒くなると死に絶えてしまいます。マメ科の植物が食草です。

【2005年10月7日(金)】
○雑木林の中から、カケスの騒がしい声が聞こえます。今年はドングリが落ちるのが遅いだけでなく、数も少ないようです。毎年、今頃に公園にやってくるドングリ大好きのカケスにとっては、ちょっと当てがはずれたかもしれません。

【2005年10月6日(木)】
○また、木道沿いの水路でヒメダカが見つかりました。3年くらい前にもヒメダカが見つかって、在来のメダカと交雑しないようにと、できるだけ捕獲しました。もしかすると、その時取り損ねたヒメダカの子孫かもしれませんが、また、誰かが放した可能性の方が高そうです。公園内に外から生き物を持ち込むのは絶対にやめてください。

【2005年10月5日(水)】
○マガモがやってきました。去年はじめて見たのが9月30日だったので、今年はちょっと遅れ気味です。コガモも去年は9月29日から100羽を越えるようになっているのに、今年はまだ10羽くらいなので、なかなか高尾の池が賑やかになりません。

【2005年10月4日(火)】
○久しぶりにマムシが見つかりました。長さが50pから60pくらいでしょうか。さすがにひっぱって物差しをあてる勇気はありませんでした。赤みの強い個体で、頭の部分のえらの張り具合もそれほどではありません。この公園での確実なマムシの記録は、2.3年に1回くらいしかありません。出会う機会はほとんど無いと思いますが、ヘビを見かけても手を出すのはやめてください。

【2005年10月2日(日)】
○セイタカアワダチソウが黄色い花を付けはじめました。外来種ということで、手作り実験教室で染め物の材料にしたり、野あそび教室や里山ボランティアで抜いたり、いろいろな場面で抜いていたら、今年はいつもの年よりセイタカアワダチソウが目立たなくなりました。そのかわり、今年はオオブタクサの勢いがいいようです。

【2005年10月1日(土)】
○公園内ではツリフネソウが花盛りですが、どうやらこのツリフネソウ、ただのツリフネソウではないらしい、という話が入ってきました。ワタラセツリフネソウといって、渡良瀬遊水池ではじめて確認されたツリフネソウで、関東の所々で見つかっているそうです。現在のところ、この公園が最大の群落だそうです。まだ、学名もついていない段階で新種になるかどうかわかりませんが、花の小花弁の形に違いがあるそうです。
【2005年9月30日(金)】
○公園のあちこちで、ジョロウグモが目立っています。大きな巣になると、玄関前の広場中央のクスノキから5m以上離れたヤマモモまで糸を張って大きな巣をつくっているのもいます。センターの男性用トイレの窓の外にも大きなジョロウグモの巣があって、ちょうど網戸代わりになっています。

| トップページ | 今日の北本自然観察公園〜公園日記〜 |

Copyright (C) 2024 Saitama Nature Study Center. All rights reserved.