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北本自然観察公園 自然観察記録 2005年9月

2005年11月4日更新
                                           埼玉県自然学習センター


【2005年9月30日(金)】
○公園のあちこちで、ジョロウグモが目立っています。大きな巣になると、玄関前の広場中央のクスノキから5m以上離れたヤマモモまで糸を張って大きな巣をつくっているのもいます。センターの男性用トイレの窓の外にも大きなジョロウグモの巣があって、ちょうど網戸代わりになっています。

【2005年9月29日(木)】
○公園内を歩くときは、ぜひ長袖長ズボンにしてください。このところ、蚊がすごいです。特に雑木林の中に入ると、肌を露出しているところには、すぐにやってきます。窓を開け放つようになってセンターの中にも入って来るようになりました。夕方が活動時間なので、事務室の中で蚊にくわれるのは夕方が多いようです。

【2005年9月28日(水)】
○公園内の湿地では、ピンク色の花がたくさん咲いています。ツリフネソウやママコノシリヌグイとともにミゾソバが花盛りです。ミゾソバは、葉っぱの形から「ウシのヒタイ(牛の額)」という呼び方もありますが、葉っぱに濃い色のシミがあって、ホルスタインの顔を想像してしまいます。このほか、カエルが多い溝や湿地の環境にあるせいか、「カエルグサ」などと呼ばれることもあるようです。

【2005年9月27日(火)】
○昨日から、園路や草原などの草刈りが始まりました。今年は、前半が雨が少なくてあまり草丈が延びなかったのですが、その後は順調過ぎるくらいに伸びてしまいました。園路沿いは年4回草刈りをしているのですが、今年はタイミングが難しかったようです。草原は年3回刈ることで、草原を維持しています。

【2005年9月25日(日)】
○センターのまわりでも、モズの高鳴きが聞こえるようになりました。窓を閉めたセンターの中にいても、その鋭い声が聞こえます。これから秋冬の餌が少なくなる時期を迎え、自分のなわばり宣言をしているようです。

【2005年9月24日(土)】
○今日の「手作り実験教室」のテーマは、「ドングリを食べよう」です。が、今年はドングリが熟すのが遅くて、苦労しました。公園内だけではとても「お菓子」を作るだけの材料が集まらず、事前にだいぶ探し回りました。ここ数年、同じ時期に同じテーマでやっていますが、豊凶の差で苦労したことはありましたが、時期が早すぎて困ったのは初めてです。「クヌギのクッキー」「マテバシイのおやき」「マテバシイの白玉ダンゴ」「スダジイせんべい」がメニューです。午後の指導者向け「自然学習専門講座」も「ドングリを食べる」をテーマにしました。

【2005年9月23日(金)】
○このところ、高尾の池にアオサギとダイサギが1羽ずついます。両方とも大型のサギで、魚やカエル、ザリガニなどを食べます。高尾の池にいるこの2羽の関係はビミョーで、お互い無視はできず、たまに追い払おうとしたり、牽制し合っているように見えます。

【2005年9月22日(木)】
○トリノフンダマシという奇妙な名前がついたクモがいます。文字通り「鳥のフン」に似ているためです。鳥のウンコに似ていれば、鳥などに食べられにくい、というわけです。このクモの卵がたくさん入った茶色の卵嚢(らんのう)を見かけるようになりました。同じ仲間のトリノフンダマシとオオトリノフンダマシ、両方見ることができて、形は少し違います。

【2005年9月21日(水)】
○キンミズヒキの花が咲いています。タデ科のミズヒキとはまったく違う仲間で、直径1センチくらいの黄色い花を付けます。花を付ける花序が細く長いのがミズヒキに似ているということで、同じ仲間みたいな名前が付けられてしまっていますが、あまり似ているとは思えません。キンミズヒキは花よりも「ひっつきむし」としてのほうがおなじみかもしれません。

【2005年9月19日(月)】
○一昨日の「里山ボランティア」では、ドングリ畑の草刈りなどと共に、「あずまや」の先に小さな池を作りました。最近乾燥化が進んでいる場所で、乾燥化をくい止めて、トンボの産卵場所をつくって、掘った土は別の池の改修用に使う、という作戦です。おとといは泥水がたまっていたのですが、もうきれいに澄んでいました。これからどんな生き物がこの池を利用するか楽しみです。

【2005年9月18日(日)】
○この数日間で、空気がすっかり夏から秋へと入れ替わりました。そして今日は中秋、十五夜です。公園のススキの穂はまだ開いていませんが、木の実が好きな公園の生きものや、これからやってくる鳥たちのために、木々の実りが豊作であることを満月に願ってあげたいと思います。昨晩の「秋の虫の観察会」では、最後に望遠鏡でお月見をしました。

【2005年9月17日(土)】
○15日に続いて、また館内に珍しいお客さんがやってきました。ロビーの真ん中にある1本の木。根っこと枝はホンモノのハンノキですが、葉っぱや実はニセモノ。いつのまにか、その木にホンモノの小鳥がいました。ヤマガラです。このあと、2階の望遠鏡の三脚にとまったり、外に出ようと大きなガラス窓にぶつかったり。捕虫網で捕獲して外に逃がしましたが、野外でもなかなか出会うことのないお客さんが顔を見せてくれました。

【2005年9月16日(金)】
○ピンク色のツリフネソウがだいぶ咲きだしました。細長いロート型の花が横向きにつり下げられたように咲いていて、そのロートの先はくるっと丸まっています。そのロートの奥に蜜が入っているので、マルハナバチの仲間が花の中にもぐり込み、その時に背中に花粉が付いて運ばれていきます。

【2005年9月15日(木)】
○やっと秋らしい風が吹きはじめました。涼しい空気を入れるために、2階の排煙用の窓を開けていたら、ヒメスズメバチが迷い込んできてしまいました。ヒメスズメバチにしては、かなり大きいので、もう来年の女王蜂がでてきたのかもしれません。

【2005年9月14日(水)】
○ヒガンバナが咲きはじめました。古い時代に中国から来た外来植物だといわれています。花は咲いても種ができることはほとんどなく、たとえできたとしても発芽することはありません。ではどうやって増えていくかというと、スイセンのような球根ができて増えます。それが、人の手によって運ばれたり、川の土手に多いので増水によって流されたりして分布を広げていきます。地方名がたくさんあることからもわかるように、昔から親しまれていた植物なので、人の手で運ばれる機会が多かったと思います。

【2005年9月13日(火)】
○センター裏口の前にあるコウゾが枯れてしまいました。幹に直径1〜2mmの小さな穴がいくつか空いていて、そこから、ペレット状になった木くずが、ポロッ、ポロッと出てきます。地面にはその木くずたくさん散らばっていました。サビカミキリの仲間の幼虫が穴を空けているようです。ただ、このサビカミキリがコウゾを枯らした直接の犯人ではなく、何か別の理由で木が弱っていたところにサビカミキリが入ったようです。

【2005年9月11日(日)】
○今日のいきもの講座のテーマは「水草」でした。定例自然かんさつ会では、池のコウホネやガマの根を掘りました。コウホネはその名前の由来のとおり、水中の地下茎は骨のように真っ白です。ガマの地下茎を掘り出して切ってみると、中心の部分は堅いのですがそれ以外の大部分はスポンジ状になっていて、水中生活をしていても空気を取り入れることができるようになっているようです。

【2005年9月10日(土)】
○いつのまにか、ヨシの穂が出てきました。まだ花も咲いていないので薄緑色の貧弱な「ほうき」のようです。冬にはススキやオギのように風で飛んでいく種を付けます。この公園では、湿地の乾燥化を防ぐため、一部の場所ではヨシを刈り取って持ち出し、耕転をしています。そのような作業をしてるところは、ヤナギの仲間も入らずに毎年綺麗なヨシ原になっています。

【2005年9月9日(金)】
○今朝、シジュウカラの十数羽の群れに出会いました。繁殖期が終わって、そろそろ群れで動き回る季節になってきたようです。混群といってシジュウカラだけでなく他のカラ類やキツツキの仲間が加わることもあります。偶然かもしれませんが、信州の山の方で二ホンリスもいっしょに動いていたのを見たことがあります。今日は、コゲラ1羽が加わっていました。

【2005年9月8日(木)】
○昨日の大風で、園内の遊歩道には小枝や木の葉がたくさん落ちています。そんな中、一夜堤のそばに、先が少し尖った3pくらいの丸い実が落ちていました。オニグルミの実です。まだ緑色ですが、中にはしっかりと「クルミの実」ができています。お菓子や料理に普通使われているのは、大きなテウチグルミ(カシグルミ)の実が多いのですが、殻の先が尖っていて固いオニグルミの実も使います。前に、山菜料理のお店で「くるみごはん」を頼んだのにクルミが見あたらない、あれっ、という顔をしていたら、オニグルミをよく擦ってそれを混ぜて炊いていると教えてくれました。

【2005年9月7日(水)】
○今日は1日台風の大風が吹いています。公園全体が谷間にあるため、それほどひどい風にはなりませんが、それでもクワの大きな枝が折れて道をふさいでしまいました。大きな枯木が折れるのは、大風の日よりも大雨が降ったあとの方が多いようです。水分を含んで重くなっているためでしょう。

【2005年9月6日(火)】
○シベリヤ方面で繁殖シーズンを過ごしたコガモの第1陣5羽が、高尾の池にやってきました。今シーズンはじめてです。昨年は9月5日だったので1日遅くれになりますが、昨日が休館日だったので、昨年と同じだった可能性もあります。まだ、オスの羽の色はメスとほとんど変わりはありません。オスの羽の色が綺麗になるのには、まだ1ヵ月以上かかります。

【2005年9月4日(日)】
○歩道を歩いていると、黒の地に白の水玉模様の小さなチョウチョがゆっくりと弱々しく飛んでいるのを見かけます。鹿ノ子模様の蛾ということでカノコガといいます。年に2回発生して、6月頃と今頃によく見かけます。幼虫はタンポポやシロツメクサなどを食べるそうです。

【2005年9月3日(土)】
○北里の森沿いに、アシナガバチの巣がありました。体が細く華奢な感じで、黄色っぽいというか金色がかって見えます。ムモンホソアシナガバチです。攻撃性はそれほど強くないので、ちょっと離れたところから、そっとのぞいてみてください。標柱5番の近くです。

【2005年9月2日(金)】
○センターの東側の石垣沿いに、コガタコガネグモがいました。コガネグモやナガコガネグモに比べるとずっと小型です。これで、今年は3種類のコガネグモの仲間が確認できたことになります。コガタコガネグモの「かくれ帯」は、コガネグモのようなX字型のはずですが、ここのクモは4方向の帯のうち、1方向だけしかないことがあります。

【2005年9月1日(木)】
○ふれあい橋にあるクズの花に、ウラギンシジミの幼虫がいます。が、そう簡単には見つかりません。体の色がまわりの環境の色と似ているためです。この公園ではフジの花で見つかることが多いのですが、そのフジの花房には、つぼみや花、しおれた花などがいっしょにあって、白っぽい紫色の体が、その中に紛れています。
【2005年8月31日(水)】
○ガガイモの小さい花が咲きはじめました。花の内側は赤いのですが、白い毛がたくさん生えているので、ピンク色に見えます。花の外側は白です。秋になるとニガウリを小さくしたような実が付き、熟すと割れて、中にはタンポポよりも大型の綿毛を付けた種がたくさん入っています。

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