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北本自然観察公園 自然観察記録 2004年5月

2004年7月4日更新
                                           埼玉県自然学習センター


【2004年5月29日(土)】
○八ッ橋を渡った左側斜面に、ウグイスカグラが赤い果実をつけています。高さ1m位の落葉低木で、幹に細い枝が特徴です。4月初めにピンク色の花を下垂していたのですが、花が小さく目立たないので 見落としてしまいました。果実はさっぱりとした甘い味で、「お田植えグミ」と呼んでいる地方もあるそうです。別名は、ウグイスノキといいます。また、ウグイスカズラという人も多いようですが、正しくはカズラではなく、カグラです。

【2004年5月27日(木)】
○高尾の森へ行く途中の園路左側民有地(立ち入らないでください。)に、ユスラウメが数本、サクランボのような赤色の実をつけています。中国北西部原産で、江戸時代初期に我が国に渡来しました。庭木として人気が高い落葉性の低木で、これらの木も3年程前に植えられたものです。果実は甘酸っぱい味で、そのまま食べるか、果実酒として使われることが多いようです。また、利尿や便秘などに効果があるといわれています。

【2004年5月26日(水)】
○北里の森に、ガマズミが白い小さな花を密集させて咲いています。盛りを過ぎているためか、ちょっと寂しそうです。ガマズミは日本全土の山野に分布する落葉の低木です。9〜10月頃に実が赤く熟し、11月頃には甘くなって食べることができます。別名はヨソゾメ、ヨツスミとも呼ばれています。また、実が黄色い品種もあって、こちらはキミノガマズミといいます。

【2004年5月25日(火)】
○今朝、木道近くの水辺で、カワセミの幼鳥を見たとの情報が複数届けられました。3羽から5羽までと、情報に違いがありますが、いずれにしても当公園内で繁殖したのではないかと思われます。カワセミの成鳥は、お腹が橙色で頭から背中にかけて光沢のある青緑色をしています。その美しさから「水辺の宝石」、飛翔姿から「空飛ぶ宝石」といわれています。一方幼鳥は、胸・腹に灰色味があり、足は黒色をしています。

【2004年5月22日(土)】
○今日は、当センターのイベントである「手作り実験教室」の第1回「タンポポ喫茶店」が開催されました。小学生と保護者29名の参加があり、盛況に開催できました。参加者が、実際に採集してきたタンポポの根を乾燥させ、粉末にしたものを用いコーヒーにしました。味は薄めのインスタントコーヒーといったところで、本物のコーヒーより胃に優しい感じで、食後に飲むと胃がすっきりします。タンポポコ−ヒーは、利尿作用、食欲増進などの効果があるといわれています。

【2004年5月21日(金)】
○今日は、二十四節季の一つである、「小満」です。意味は、「陽気盛んにして、草木や枝葉が繁り、万物が次第に長じ満つる」ということです。ところで、センターの車庫両側フェンスにからみつくように、スイカズラが白色と淡黄色の花を咲かせています。咲き始めは白色ですが、次第に淡黄色に変わっていきます。白と黄色の花が同時に見られることから、金銀花とか金銀カズラとも呼ばれています。

【2004年5月20日(木)】
○八ッ橋の両側に、公園で通年見られる水鳥のバンとカイツブリが巣を作っているのが発見されました。バンは黒い体で額が赤く、クチバシの先が黄色で、足指が長いのが特徴です。クルクルクルクルッと鳴きます。カイツブリはクチバシの付け根が黄色で、ケレケレケレッと鳴きます。泳ぎがうまく、長時間の潜水もでき、魚をとるのが上手な鳥です。ヒナ鳥が生まれ、背中に乗せて泳いでいるのを見ることができます。どちらも無事に雛が育つことを見守っていきましょう。

【2004年5月19日(水)】
○八ッ橋の左側奥に、コウホネが黄色い花を咲かせています。スイレン科の水草で、根茎が白色で肥大化し、白骨のように見えることから「河骨」と書かれたといわれています。読み方は、カワホネから変化し、コウホネになったそうです。根茎は川骨(せんこつ)と呼ばれ、漢方薬として吐血剤、浄血剤、強壮剤として用いられています。高浜虚子は「河骨の花に神鳴る 野道かな」の句を残しています。

【2004年5月18日(火)】
○公園内のエゴノキが、葉陰に下向きの、純白の花を鈴なりに咲かせ、緑の中に明るさをもたらしています。その実はアクが強く、エグイことから名付けられたといわれています。サクラ同様エゴノキも散り方は潔く、一部は既に散り始めています。サクラのように一枚づつ散るのではなく、主に5枚の花ビラが根元からすっぽり抜け落ち、地面を白く覆っています。「道も狭に 散り敷く白き えごの花 踏むは痛々し 踏まねば行けず」と泉 幸吉は詠んでいます。

【2004年5月16日(日)】
○今日は、雨が降ったり、止んだりの入梅の様な一日でした。エドヒガンへ行く園路脇に、ひっそりと白い花を咲かせていたフタリシズカが、夕べからの雨でほとんど散ってしまいました。フタリシズカはセンリョウ科の多年草で、花穂が2個付くことが多いことから、ヒトリシズカに対し、この名があります。また、静御前とその亡霊の舞姿にたとえたともいわれています。

【2004年5月14日(金)】
○公園内に、ドクガが飛んでいるという情報が寄せられました。おそらく、チャドクガかモンシロドクガかと思われます。♀成虫の尾に毒針毛を持っていて、人の皮膚に刺さると、炎症を起こし、かゆく腫れあがってしまいます。公園内を散策される方は、十分な注意をお願いいたします。ところで、 この春、自然学習センター内の展示を、一部模様替えをしました。「北本の自然は招く」のコーナーですが、キツネ、タヌキ、イタチ等の剥製を使い、「公園内にいる哺乳類」として新たに展示をしています。とてもリアルで迫力がありますので、是非一度見に来てください。

【2004年5月13日(木)】
○八ッ橋へ向かう園路沿いのウマノスズクサの葉の裏に、ジャコウアゲハの卵が産み付けらていました。ジャコウアゲハのオスをつかまえると出す匂いが、ジャコウジカの出すジャコウという匂いに似ているため、この名前が付けられました。また、ジャコウアゲハの幼虫は、ウマノスズクサを食べることで、この草に含まれるアルカロイドという有毒物質をとりこみます。そのため外敵に襲われにくいそうです。

【2004年5月12日(水)】
○昨日は夏日で暖かい一日でした。しかし、今日は気温は通常に戻りましたが、一日はっきりしませんでした。ところで、公園内の葦原の中にキショウブが花を咲かせています。緑一色の中、鮮やかな濃い黄色が、よく目立ちます。もともとは、ヨーロッパ原産ですが、明治の頃輸入され、湿地や水辺に繁殖して、野生化しています。草姿はハナショウブに似ていますが、こちらの方が更に元気です。一句紹介「木のしづく 落ちて黄菖蒲 そっと揺れ」(唐 四郎)

【2004年5月9日(日)】
○埼玉県知事とドイツ・ブランデルブルグ州首相による共同声明に基づき、環境分野における学術交流を推進するため特別研究員として招へいされている、コトブス工科大学ゲアハルト・ヴィークレプ教授が当センターを訪れました。突然の豪雨にもかかわらず、定例自然観察会に参加されました。また、「ドイツにおける自然保護」についての講演も行っていただきました。教授は、公園内の池の魚類について興味を持たれていたようでした。 

【2004年5月7日(金)】
○センター入口の道路際に、ユリノキが黄色い花を咲かせています。高さが20〜30mの木の上部に咲いているので、注意して見ないと見落としてしまいます。北米東部原産の落葉高木で、明治時代初期に我が国に持ち込まれました。花は百合というよりはチューリップに似ていて、別名チューリップツリーといわれていますが、当時チューリップがポピュラーでないため、ユリノキと名付けられたそうです。また、葉が半纏に似ているところから、ハンテンボクともいわれています。秋の黄葉もきれいです。

【2004年5月4日(火)】
○明日5月5日は、二十四節季のひとつの「立夏」です。意味は「ここから夏になり、大地が草で覆われ木々が繁ってくる時期」ということです。さて、公園内には各種のヤナギがあり、風に吹かれてタンポポのように綿毛のついた小さな種が飛んでいます。ヤナギというと夏と思われる方が多いと思いますが、実は春の季語に分類されています。また、万葉集には、「浅緑 染め懸けたりと 見るまでに 春の柳は 萌えにけるかも」と詠われています。

【2004年5月3日(月)】
○今日は祝日「憲法記念日」です。順路14から15へ行く途中の左側奥に、キリが淡紫色の大柄な花を咲かせています。近くで見ると、枝先に筒状、鐘型の花を、穂のように多数付け、やや下向きに咲いています。キリの花の紫色は高貴な色とされ、菊とともに皇室の紋章として使われています。なお、五七の桐は豊臣秀吉の家紋としても有名です。また、桐材は伸縮・割裂などの狂いも少ないので、タンスやゲタなどの材料として使われ、実用性に富んでいます。

【2004年5月2日(日)】
○八ッ橋に行く途中の左側に、ハリエンジュの木が香りの良い白い花を、藤の様に垂れ下げて咲いています。北アメリカ原産で、明治の初期に渡来したものですが、街路樹として植えられることが多いようです。とげがあるので、注意が必要です。花は天ぷらにして食べるととても甘いそうです。別名は「ニセアカシア」ともいいます。

【2004年5月1日(土)】
○今日は、二十四節季の雑節である「八十八夜」です。「八十八夜」は、立春から数えて八十八日目で、歌にも歌われているとおり、お茶摘みがスタートする時季です。ところで、今日、エドヒガンの先の方でオオアマナ(大甘菜)が白い花を咲かせているのを見つけました。ユリの仲間で明治末期に園芸種として、渡来したといわれています。原産地は、ヨーロッパ南部です。なぜ、公園内に咲いているのかは不明です。
【2004年4月29日(木)】
○今日は祝日の「みどりの日」です。「みどりの日」は、「自然に親しみ、豊かな自然をはぐくむ」目的で定められました。そして、23日からの「みどりの週間」も今日で終わりです。八ッ橋のヨシの茎に、アジアイトトンボが羽を休めていました。春一番に現れるイトトンボで、池の周りの湿地や田んぼでよく見かける小形のイトトンボです。

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